3回目の仮交際デートを終えて
家に帰る頃には、
私は心も体も
ぐったりと疲れ切っていました。
「婚活って、こんなに疲れるんだ。」
そんな言葉が、自然と頭に浮かびました。
40歳からの婚活は大変。
話には聞いていましたし、
自分でも覚悟はしていたつもりです。
でも実際にその世界へ飛び込んでみると、
想像していた以上に厳しい世界でした。
考えてみれば当然です。
これから何十年という人生を
共に歩む相手を探しているのですから。
簡単なはずがありません。
しかも私は、40歳になるまで
結婚相手を本気で探してきませんでした。
そんな私にとって婚活は、
恋愛とはまったく違う世界でした。
婚活は、
自分を強くするための修行。
そして、
幸せになるための修行。
そんなふうに感じていました。
今まで経験したことのないくらい、
根気も、精神力も必要です。
何度心が折れても、自分で立ち上がるしかない。
立ち上がらなければ、その場で終わってしまう。
誰も代わりに歩いてはくれません。
答えを出せるのは自分だけ
3回目の仮交際デートを終えても、
私の気持ちは整理できていませんでした。
「彼との仮交際は終わりにしよう。」
そう思っているはずなのに、
本当にこれでいいの?
後悔しない?
もう少し頑張れない?
そんな考えばかりが頭の中を何度も巡ります。
何度考えても、
答えは出ません。
スマホを置いてみても、
数分後にはまた手に取る。
テレビをつけても、
何も頭に入ってこない。
考えるのをやめたいのに、
気付けばまた彼のことを考えていました。
私は、自分でも驚くくらい優柔不断でした。
決断することがこんなにも苦しいなんて
思っていませんでした。
もう考えること自体をやめたくなりました。
自分の人生なのに、
何一つ決められない。
誰かに
「それで合ってるよ。」
そう言ってほしかった。
でも最後に決めるのは、
私しかいません。
その答えが正解でも、不正解でも、
責任を持つのは私です。
カウンセラーに伝えなきゃ…でも…
結婚相談所では、
仮交際を終了する時は、
カウンセラーへ連絡します。
連絡メッセージの画面を開きましたが、
私は何も入力できませんでした。
どんな言葉で伝えればいいんだろう。
私の感じたことを、そのまま書いてもいいんだろうか。
もしここで交際を終了したいと伝えたら、
カウンセラーは
「もう終了ですか」
と思うんじゃないか。
「もっと歩み寄れませんか」
と言われるんじゃないか。
そんなことまで考えてしまいました。
誰もそんなことは言っていないのに、
私は勝手に自分を追い込んでいました。
私は彼とちゃんと向き合えただろうか
その夜、
お見合いで初めて彼に会った日のこと、
そして、彼との3度のランチデートのことを
何度も思い返しました。
彼の表情。
彼との会話。
デート中の空気。
一つひとつを丁寧に思い出していました。
もしかしたら、
私が何か見落としているのかもしれない。
彼の良いところを、
ちゃんと見られていなかっただけかもしれない。
婚活では、
結婚相手を探そうとするあまり、
どうしても相手の欠点ばかり
探してしまう瞬間があります。
ここが苦手。
ここが気になる。
ここは無理かもしれない。
そんな自分が嫌になることもありました。
相手の良いところを探すことと同じくらい、
「結婚できない理由」
を探してしまう自分がいました。
それでも、
一度はお見合いをして、
ご縁があって出会った人。
失礼のないように、
最後まで真剣に向き合って
答えを出そう。
そう思いました。
私が結婚相手に求めていたもの
自分自身の素直な気持ちと向き合い、
彼と過ごした時間にも真剣に向き合ってみました。
でも…
やっぱり、この人ではない。
そう思いました。
私は子どもの頃から、
「安心できる場所」
を探し続けてきました。
安心して笑えること。
自然体でいられること。
それだけは、私の中で譲れませんでした。
お話が上手じゃなくてもいい。
器用じゃなくてもいい。
完璧な人じゃなくてもいい。
ただ、
私の気持ちに寄り添ってくれる人。
一緒にいると安心できる人。
そんな存在を私は求めていました。
でも彼の隣では、
その安心感を感じることができませんでした。
「好きになれなかった」
のではなく、
「安心できなかった」
そういうことなんだと思います。
初めてご縁を終わらせた夜
カウンセラーへ送る文章も、
書いては消して、
また書いては消して。
何度も繰り返しました。
できるだけ彼を悪く言いたくない。
でも、
私が感じたことは正直に伝えたい。
私は、
彼とのデートで前向きな気持ちになれなかったこと。
一緒にいて自分らしさを出せなかったこと。
会話が一方通行に感じてしまったこと。
そのまま素直に伝えました。
そして最後に、
「仮交際終了でお願いします。」
そう入力しました。
送信ボタンを押した瞬間、
気持ちが軽くなると思っていました。
でも実際は違いました。
画面を見つめたまま、
しばらく動くことができませんでした。
人生で初めて、自分の意思でご縁を終わらせた夜。
それは、思っていたよりずっと静かで、
そして、とても苦しい夜でした。



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