40歳、初めてのお見合い。私は帰り道、婚活をやめたくなった

40歳からの婚活

お見合いが決まった時、
嬉しさはありませんでした。

むしろ、
「ああ、お見合いが決まってしまった」
そんな気持ちでした。

会いたいわけじゃない。

でも、
結婚相談所に入った以上、
お見合いはしていかなきゃいけない。

全く知らない人に、
興味を持って、
会話をして、
結婚相手になるかもしれない人として向き合う。

考えてみると、
ものすごくエネルギーのいることです。

私は、
初めてのお見合いの日が近づくにつれて、
どんどん気が重くなっていきました。

40歳。お見合いって何を着ていくの?

まず悩んだのが、
服装でした。

【婚活ファッション】
【お見合いファッション】
【40代女性】

何度も検索しました。

でも、
いろんな情報がありすぎて、
何が正解なのか分からない。

カウンセラーの方からは、
「迷ったら相談してください」
「服装が決まったら写真を送ってください」
と言われていました。

でも、
私は相談しませんでした。

何もかも初めてだけど、
もう40歳。

それくらい自分で決められないと。

そんな、
変な意地があったんです。

前日の夜。
服をベッドの上に並べて、

これで変じゃないかな。
派手すぎないかな。
地味すぎないかな。

何度も鏡を見ました。

まるで学生時代の面接みたい。

でも違う。

面接なら、
落ちても自分を否定された気持ちにはならない。

だけど婚活は、
もし相手に「また会いたくない」と思われたら、

それは、
私自身を否定されたような気がしてしまう。

そんな怖さがありました。

「私は今、お見合いしています」そう晒されている気がした

お見合いの日時と場所は、
結婚相談所が決めてくれていました。

当日、
慣れない服を着て、
行ったことのないホテルへ。

どんな風に始まるんだろう。
ちゃんと相手に会えるかな。
何を話せばいいんだろう。

考えても答えはありません。

不安ばかりが膨らみました。

お見合いは、
ホテルのラウンジで行われます。

私には、
全く縁のない場所でした。

受付で名前を伝えると、
席まで案内されました。

相手はまだ来ていません。

でも、
隣の席、
そのまた隣の席を見て、
私は驚きました。

……みんな、お見合い。

女性はきれいめな服装。
男性はスーツ姿。

誰かを待っている。

隣の席に男性がやってきて、
「初めまして」
と挨拶する。

あぁ、
あの人たちもお見合いなんだ。

そう思った瞬間、

急に恥ずかしくなりました。

普通のお客さんも、
たくさんいるラウンジ。

その中で、
お見合いの人たちだけが、
横一列に並んでいる。

隣の会話が聞こえるくらい近い席。

私が
「あ、この人もお見合いだ」
と思っているように、

きっと周りも、
私のことをそう思っている。

「私は今、お見合いしています」
「必死で結婚相手を探しています」

そんな風に、
周りに公言しているような気がして、
今すぐ帰りたくなりました。

後から知ったのですが、
ホテルラウンジでのお見合いは、
結婚相談所ではごく一般的なスタイルだそうです。

周囲にも同じようにお見合いをしている人がいて、
最初は驚く人も多いそうです。

私もその中のひとり。

「こんな場所でやるの!?」

初めての世界。
本当に衝撃的でした。

初めて会った彼は、笑わない人だった

予定時間ギリギリに、
相手の男性がやってきました。

45歳。
私より5歳年上。

プロフィール写真とは、
かなり印象が違っていて、

一瞬、
誰かわかりませんでした。

「初めまして」
「今日はよろしくお願いします」

挨拶をして、
コーヒーを注文。

でも、

コーヒーが来るまでの時間が、
とにかく気まずい。

「今日は電車で来られたんですか?」
「天気が悪くて残念ですね」

そんな、
中身のない会話。

プロフィール写真では、
明るくて優しそうな笑顔だったのに、

実際に会った彼は、
ほとんど笑いませんでした。

目を合わせるような、
合わせないような。

どこか下を向いていて、
暗い印象。

私は、
まずそこで思いました。

やっぱり、
会ってみないと分からないなと。

会話って、こんなに苦しいものだった?

私は、
接客業をしていたこともあり、
世間話は嫌いじゃありません。

でも、
何を話しても、
会話が盛り上がらない。

そこで、
プロフィールに書かれていたことを思い出して、

旅行や、
剣道、
仕事の話を聞いてみました。

すると、

彼は急に饒舌になりました。

海外旅行の話。
剣道の試験の話。

たくさん話してくれました。

でも、
なぜか、
全部、
自慢話に聞こえてしまったんです。

僕は収入があるから海外によく行ける。

友達は試験に落ちたけど、
僕は受かった。

そんな話ばかり。

私は旅行の話の流れから、
「私は韓国しか行ったことがないんです。
色んな場所に行かれてていいですね。」
と言いました。

すると、
返ってきた言葉は、

「韓国なんて近いからいつでも行けるでしょ?」
「だから僕は行ったことないです。」
「韓国に行くぐらいなら、日本のコリアンタウンで十分じゃないですか?」

でした。

私は、
言葉を失いました。

私は、
韓国を勧めたわけじゃない。

ただ、
自分の話をしただけ。

「韓国って今人気ですよね」
「楽しそうですね」

そんな風に、
私の話を受け止めてほしかった。

でも彼は、

私の話を聞くというより、
自分がどう思うか、
自分ならどうするか。

そればかり話しているように感じました。

この人とは、一緒に笑えない

その後も、
似たようなことが続きました。

私が、
最近友人に釣りに連れて行ってもらって、
楽しかった、という話をすると、

「前に僕も釣りに行ったことがあるけど、
何も釣れずに、時間とお金の無駄でした。」
「魚ならスーパーで買った方がマシです」

と返ってきました。

学歴の話になると、
私が通っていた高校が、
私立か公立かまで聞かれる。

仕事の話になると、

なんとなく、
私の仕事を下に見ている感じがする。

直接そんな言葉を言われたわけじゃありません。
私の思い込みかもしれません。

でも、
会話の端々から、
伝わってくる。

彼は、国家資格を持った専門職。

でも、
私は専門職ではありません。
特別な資格もない。

だからかもしれません。

彼は、
私の仕事そのものには、
あまり興味がないように感じました。

私がどんな思いで働いているのか。

何が好きで、
どんなやりがいを感じているのか。

そういう話を
聞こうとはしてくれませんでした。

自分の楽しかったことを否定され、
仕事へのリスペクトも感じられない。

私はどんどん、
相手への興味を失っていきました。

もう、
聞きたいことがない。
話したいこともない。

沈黙が増えていきました。

終わらない1時間

両隣のお見合いは、
楽しそうに会話をしています。

笑い声も聞こえる。

男性が女性の話に笑って、
女性も楽しそうにしている。

それを横目で見ながら、
私は、
なんでこんなにうまく話せないんだろう。

なんで、
私のお見合いだけ、
こんな空気なんだろう。

そう思っていました。

同じ場所で、
同じようにお見合いをしているのに、

私だけ、
何かを間違えているような気がして、
すごく惨めでした。

彼から、
「何か聞きたいことがあれば聞いてください」
と言われました。

でも、
私の中では、
もうお見合いは終わっていました。

「そうですね……」

そこから先の言葉が、
出てきませんでした。

お見合いは、
約1時間。

カウンセラーから、
「どんな相手でも、1時間は席にいてください」
と言われていました。

私は、
その言葉だけを頼りに、
なんとか最後まで座っていました。

こんなに長く感じた1時間は、
人生で初めてでした。

帰りの電車で、涙をこらえた

帰りの電車の中で、
私はずっと考えていました。

なんで、
こんなに傷ついているんだろう。

なんで、
あんな言葉を言われなきゃいけなかったんだろう。

怒り。
悔しさ。
虚しさ。

いろんな感情が混ざって、
涙が出そうでした。

家に帰って、
お見合い用に着ていた服を脱いだ瞬間、
どっと疲れが出ました。

鏡に映った自分を見て、
何を頑張っているんだろう。
そんなことを思いました。

やっぱり、
お見合いなんて、
私には無理なんじゃないか。

こんなことを、
これから何回も繰り返すの?

私はしばらく、
結婚相談所のアプリを開く気にもなれませんでした。

もう傷つきたくない。

知らない人に会って、
また嫌な思いをするくらいなら、

一人で生きていく方が、
ずっと楽なんじゃないか。

そんなことばかり考えていました。

それでも、諦められない気持ち

それでも私は――

潔く諦める、
なんてことはできませんでした。

婚活は嫌。
お見合いも怖い。
もう二度と会いたくない。

そう思っているのに、

まだ誰かと生きる未来を、
諦めきれませんでした。

だから私は、
しばらく時間をおいたあと、

もう一度だけ、
勇気を出してみることにしました。


……次のお見合いで、

また違う意味で、

私は、
また婚活の難しさを知ることになります。

そして、

初めて、
「悪い人ではないけど、、好きになれない」

という、
婚活のもう一つの苦しさを、
知ることになります。

プロフィール
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はじめまして。41歳のumeco(女)です。

40歳で結婚し、10歳年上の夫と二人で暮らしています。

子どもの頃の私は、結婚するとは思っていませんでした。

家庭に良い思い出が少なく、「家族を作る」ということに前向きになれなかったからです。
ましてや子どもを育てるなんて、自分には無理だと思っていました。

そんな私が40歳で結婚し、今は夫と二人、ささやかな毎日を送っています。

贅沢な暮らしではありません。
老後の不安もありますし、親のことも気がかりです。

それでも、
「今日もふたりでご飯を食べられてよかったな」
そう思える日々があります。

このブログでは、子なし夫婦の日常や家計のこと、夫婦のこと、将来への思いなどを等身大で綴っています。

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