仮交際を終了したい、と結婚相談所へ伝えたあと、
私はなんとも言えない脱力感に包まれていました。
「これで終わった。」
そう思ったのに、
気持ちは少しも軽くなりませんでした。
体力的にも、精神的にも、
感じたことの無いような疲れが襲ってきました。
婚活を始めてから
「初めての仮交際」
そして
「初めての別れ」
これを何度も繰り返すのかな…
そう思った瞬間、
疲れはさらに大きくなりました。
40歳からの婚活。
想像していた以上に、
心をすり減らす時間でした。
自分を演じ続けた仮交際
振り返ってみると、
私は彼の前で、ずっと自分を演じていました。
いい人でいよう。
感じのいい女性でいよう。
嫌われないようにしよう。
私はずっと、
「この人と合うか」
ではなく、
「この人に嫌われないか」
そんなことばかり考えていました。
相手を知ろうというより、
「悪い印象だけは与えないようにしよう。」
そんな気持ちの方が強かった気がします。
気付けば、
“私がどう感じるか”
ではなく、
“相手にどう思われるか”
だけを気にしていました。
今思えば、
一度も彼に心を開けていなかったと思います。
笑って話すことはできます。
でも、
心から笑えていたわけではありません。
これから恋人になるかもしれない人。
結婚相手になるかもしれない人。
それなのに私は、
会社の取引先の人と接するような距離感で話していました。
丁寧で、
礼儀正しくて、
そつのない大人の対応。
私は彼を見ていたようで、
本当はずっと、
「嫌われない自分」を演じることに必死だった。
だから疲れたんだと、
あとになってようやく気付きました。
私は「居心地の良さ」を大切にして生きてきた
もちろん、
出会ってすぐに素を出せるわけではありません。
それは分かっています。
でも
私が学生時代からずっと仲のいい友達、
そして
今まで付き合ってきた恋人も、
みんな
出会って間もない頃から、
「なんだか居心地がいい。」
そう思えた人ばかりだったんです。
理由は説明できません。
気付けば話が弾んでいる。
自然に笑えている。
気付けば心を開いている。
私はその感覚を、
ずっと大切にして生きてきました。
だから今回も何度か考えました。
お見合いだからいつもの感覚とは違うのかな。
時間をかければ何か変わるのかな。
でも、
3度会っても、
緊張が解けない。
話が噛み合わない。
自然体になれない。
その違和感は、
最後まで消えませんでした。
私はようやく、
「相性って、こういうことなんだ。」
そう思えました。
努力では埋められない距離がある。
そのことを、
この仮交際で初めて知りました。
本当にこれで良かったのかな
そうはいっても、
仮交際終了を伝えたあとも、
何度も自分に問いかけました。
本当にこれで良かった?
決断が早すぎたんじゃない?
もっと頑張れたんじゃない?
理想が高いだけじゃない?
そんな考えが、
何度も頭をよぎります。
カウンセラーから返信が来るまで、
私はずっと落ち着きませんでした。
そしてカウンセラーから届いた返信には、
「自分らしさが出せないのは辛いことですね。
話を聞いてもらえないことも、
結婚生活では大きな壁になります。
今回の経験を生かして、
また一緒に頑張りましょう。」
そう書かれていました。
私を否定する言葉はもちろんありませんでした。
「次へ進みましょう。」
その言葉に、
少しだけ救われた気持ちになりました。
「またお見合いか…」と思ってしまった
カウンセラーからの励ましのメッセージ…
有難い言葉ではありましたが、
私はこんな風に感じていました。
また最初からやり直すのか…
またプロフィールを読んで、
また初対面で自己紹介をして、
また笑顔を作って、
また「よろしくお願いします」と言う。
「この人かもしれない。」
そう期待して、
また違った、と落ち込む。
そして、また最初から…
そう思うだけで、
体が重くなりました。
40歳からの婚活は、若い頃の恋愛とは違います。
「また次がある。」
そう簡単には思えません。
年齢のこと。
体力のこと。
時間のこと。
いろいろな現実が頭をよぎるからです。
だから、一つひとつの出会いに、本気で悩みます。
婚活をしている人は、
みんなこんな気持ちを何度も乗り越えているんだろうか。
私は昔から気持ちの切り替えが
苦手な性格でした。
だから婚活は、
想像以上に心をえぐられるものでした。
孤独との戦い。「また一人になってしまった」
婚活で初めて、
私は誰かとのご縁を自分から終わらせました。
ご縁を断った罪悪感。
申し訳ない気持ち。
もし私が彼の立場だったら…。
そんなことばかり考えていました。
でも、
一番苦しかったのは、
彼とのご縁が終わったことではありませんでした。
また一人になってしまった…
それを受け入れることが苦しかった。
そして何より怖かったのは、
「またこれを繰り返すのか。」
ということでした。
お見合い。
仮交際。
悩み。
別れ。
その繰り返し。
未来は見えません。
結婚できる保証もありません。
それでも前へ進まなければいけない。
40歳からの婚活は、
「大変」
そんな一言では表せませんでした。
孤独。
不安。
焦り。
そして、自分との戦い。
婚活とは、
相手を探すこと以上に、
自分の弱さと向き合う時間だったのだと、
私は改めて思い知らされました。



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