結婚相談所に登録して間もなく、
男性からのお見合い申し込みが15件程届きました。
その数字を見た瞬間、
「あれ?40歳でもこんなに申し込みが来るんだ。」
正直、少し驚きました。
そして同時に、
「もしかしたら、40歳でもまだ大丈夫なのかもしれない。」
そんな淡い期待も抱いていました。
でも、その期待は、
申し込み一覧を開いた瞬間、
一気に現実へと引き戻されます。
並んでいたのは、
50代以上の男性ばかり。
一番年上の方は67歳でした。
この時私は、
40代女性の婚活の現実を、
初めて目の当たりにすることになります。
期待するたびに、現実を突きつけられた
私は思わず驚きました。
「えっ…10歳以上年上の方から、こんなにも申し込みが来るんだ。」
もちろん、
結婚相談所では何歳差で申し込もうが自由です。
だから、申し込みをしてくださったこと自体は、
とてもありがたいことでした。
私に興味を持ってくださったということですから、
その気持ちは素直に嬉しかったです。
でも、
「結婚相手」と考えた時、
10歳以上の年齢差には強い抵抗がありました。
カウンセラーからは、
「男性は年下女性を希望する方が多いですよ。」
と聞いていました。
でも実際に自分がその現実を目の当たりにすると、
想像以上に衝撃が大きかったのです。
プロフィールを開くたびに、
「今度こそ同世代の人かもしれない。」
そんな小さな期待をしてしまいます。
でも画面に表示される年齢は、
また50代。
「あ……またか。」
その繰り返しでした。
申し込みが届くこと自体は嬉しい。
でも、プロフィールを開くたびに少し期待して、
そして少し落ち込む。
まだ婚活を始めたばかりだった私は、
その一覧が、これからの婚活を暗示しているように思えてしまいました。
どうしても年齢差を受け入れられなかった
結婚は、
一緒に生活をしていくものです。
毎日の食事。
休日の過ごし方。
何気ない会話。
一緒に買い物へ行ったり、
旅行を楽しんだり。
そんな何気ない日常を思い浮かべた時、
「本当に自然に過ごせるんだろうか。」
そんな不安がありました。
話は合うのかな。
笑うツボは似ているのかな。
同じ景色を見て、一緒に楽しめるのかな。
私は、子どもを望んでいませんでした。
だから、
子どものことだけを考えれば、
相手の年齢に強い条件があったわけではありません。
それでも、
結婚は何十年と続く毎日の積み重ねです。
毎日顔を合わせ、
一緒に食事をして、
何気ない出来事を話しながら暮らしていく。
そんな生活を思い描いた時、
どうしても10歳以上の年齢差がある結婚生活を
想像することができませんでした。
私の周りには、
同世代同士で結婚した友人しかいません。
だから歳の差婚そのものが、
私には遠い世界の話のように感じていたのです。
「もう私は選ばれない」と思った日
申し込み一覧を見ながら、
私はショックを受けていました。
「もう同世代の男性からは相手にされないんだ。」
そんな考えが頭をよぎったのです。
そして、
「私は年の離れた人と結婚するしかないのかな。」
そんなことまで考えていました。
今振り返れば、
完全に思い込みでした。
でも婚活を始めたばかりの私は、
届いた申し込みを見ながら、
「これが今の私なんだ。」
そんなふうに思っていました。
年齢だけで「無理」と決めつけていた
私は、
プロフィールをじっくり読むこともなく、
届いた申し込みをすべてお断りしました。
年齢を見た瞬間、
「無理。」
そう決めつけてしまっていたからです。
その人がどんな人生を歩み、
どんな価値観を持っていて、
どんな人柄なのか。
そこまで知ろうともしませんでした。
全部断ったあと、
相談所の画面を見ると、
「申し込み一覧」は空になりました。
ほんの数分前まで並んでいたプロフィールが、
一人もいなくなっていました。
自分で断ったはずなのに、
なぜか少し寂しい。
胸の奥が少しだけ苦しくなりました。
「これで本当に良かったのかな。」
そんな気持ちが、
少しずつ自己嫌悪へ変わっていきました。
「私って上から目線なのかな。」
「理想が高いのかな。」
そんなことも考えました。
それでも当時は、
婚活を始めたばかりだからこそ、
条件を広げすぎたくありませんでした。
40〜45歳くらいの人となら、
きっと価値観も近いはず。
まずはその年代に絞って活動してみよう。
そう決めたのです。
希望と現実は、すれ違ったままだった
その後も、
お見合い申し込みは届きました。
でも、
やはり50代以上の男性がほとんど。
たまに驚くほど若い方から申し込みが届くこともありました。
でも本当にごくわずか。
私が希望していた40〜45歳くらいの男性からの申し込みは、
一度もありませんでした。
考えてみれば当然です。
相談所の男性の多くは、
子どもを希望しています。
40〜45歳くらいの男性なら、
20代後半から30代前半の女性を希望する人が多いでしょう。
もちろん、
私自身の見た目やプロフィールが
希望に合わなかった可能性もあります。
でも、
それを確かめる術はありません。
私が希望する男性は、
私より若い女性を希望している。
そして、
私に申し込んでくださる方は、
私の希望条件とは違う。
私が会いたい人には、
選んでもらえない…
私を選んでくれる人には、
私が踏み出せない…
どちらにも進めない。
そんなもどかしさばかりが積み重なっていきました。
婚活を始める前は、
「申し込みが来るかどうか」
が不安でした。
でも実際に始めてみると、
今度は
「誰から申し込みが来るか」
という別の悩みが待っていました。
歳の差婚の未来を想像すると怖かった
日々の生活だけではありません。
私が気になっていたのは、
もっと先の未来でした。
50歳なら、
あと10年で60歳。
私が65歳で定年を迎え、
「これから夫婦で旅行を楽しもう。」
「二人の時間をもっと大切にしよう。」
そう思う頃には、
相手は75歳を超えています。
介護という言葉も、
どうしても頭をよぎりました。
もちろん、
年齢だけで未来が決まるわけではありません。
健康な人もいれば、
若くても病気になる人もいます。
未来のことなんて、
誰にも分かりません。
頭ではそう理解していました。
それでも当時の私は、
「私がこれから人生を楽しもうと思う頃には、
相手はもうその年齢なんだ。」
その現実ばかりが気になってしまいました。
どれだけ考えても、
「やっぱり私には難しい。」
その結論しか出せなかったのです。
一番傷ついたことを、私も相手にしていた
そんなある日、
ふと気づいたことがありました。
私は婚活を始めてから、
「40歳だから。」
という理由で選ばれない苦しさを何度も感じてきました。
年齢だけで判断されることが、
こんなにも悲しいものなのか。
そう思っていたはずの私が、
相手を
「50代だから。」
という理由だけで判断していた。
私は、
自分が一番嫌だったことを、
相手にもしていました。
相手の人柄も、
価値観も、
人生も知らないまま…
そう気づいた時、
少し胸が痛くなりました。
だからといって年齢差への不安がなくなったわけではありません。
でも、
人を年齢だけで決めつけるのは違うのかもしれない。
そう思い始めたのです。
頭では理解しても、心は動かなかった
カウンセラーからは、
「お見合いの練習だと思って、一度会ってみるのもいいですよ。」
そう勧められました。
「本当に好きな人と出会った時、その経験が役に立ちます。」
その言葉を聞いて、
私は新卒の就職活動を思い出しました。
本命企業の前に、
面接に慣れることも大切。
確かに婚活も同じなのかもしれません。
でも当時の私は、
「未来が想像できない人とは会いたくない。」
そう思っていました。
頭では、
「まずは会ってみることも大切。」
そう理解していても、
心はまったく追いついていませんでした。
40歳で婚活を始めた私が目にした現実は、
想像していたものとはまったく違いました。
でも、この現実を知ったからこそ、
少しずつ自分の考え方を見つめ直すようになります。
「会う前から断ってしまう私は、このままでいいんだろうか。」
そんな迷いが、
少しずつ心の中で大きくなっていきました。
そして、その迷いが、
私がお見合いを受ける決断へとつながっていくことになります。



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